隣のアイドル
第5章 *Episode4
「柚花!」
「ママ!!」
いつも通り保育園に迎えに行くと、柚花が嬉しそうに駆け寄ってきた。
「ーー?」
「柚花ちゃん、こんにちは。」
普段とは違う迎えの雰囲気に少し戸惑う柚花を美咲は抱き上げた。
「柚花、覚えてる?
ママの友達のお医者さん!」
「うん」
「今日は柚花と一緒にご飯食べたいんだって。いいかな?」
「どうしてー?」
眉をひそめて不安そうな顔をする柚花
父親がいないから歳の離れた男の人には慣れてない。
「柚花ちゃん、何食べたい?
何でもいいよ!ご馳走してあげる!」
「………」
亮平の言葉に、柚花は黙って顔を美咲の首元に埋めた。
「柚花……?」
「アンパンマン」
「え?」
柚花の小さな声に亮平は首を傾げた。
「あ、マンションの近くのファミレスでキッズプレート頼むとおまけでアンパンマンのパズルがもらえるの。たぶん、そのことだと思う。」
「そっか!ファミレスか!
よし、じゃあアンパンマンもらいに行こうか!」
柚花の登園バッグを持ち、楽しそうに振る舞う亮平さんを少し後ろから追って歩く。
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