隣のアイドル
第5章 *Episode4
なんか私おかしいー・・・
蒼井さんに八つ当たりなんかして、さっきは無性に苛立ってた。
「はぁーー・・・・」
思い浮かぶのは、蒼井さんの家から出るところを数回出くわしたモデルの清水彩絵さんの姿。
付き合ってたんだ、あの2人ー・・・
芸能人同士……
当たり前といえば当たり前だし、私には何も関係ないことなのに、ちょっとだけショックを受けてる自分がいて胸がざわつく。
テーブルの上に置かれたおもちゃを見つめながら、温かいお茶の入った湯呑みを両手で包み込んだ。
柚花を産んでから母親として生きてきた。
女として、なんてもう諦めてた。
そんな私を少しでも前向きにしてくれる存在が現れたのは事実……。
でも、そんな思いも儚く遊ばれて散ったんだ。
年甲斐もなく、ばっかみたい・・・・。
柚花が眠ったこの時間…、
シーンという音が聞こえてくるほど静かな空間がいつも以上に孤独を強調して襲ってきた。
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