隣のアイドル
第2章 *Episode1
「おはようございます!」
「あ、昨日の……
おはようございます。」
爽やかに挨拶してくれたのは蒼井裕太だった。
「あっ!!わんちゃん!!!!」
彼の手元から延びたリードの先には小さなトイプードルが遊んでほしそうに飛び跳ねていた。
「娘さんですか?」
「あ、はい!
朝日奈柚花といいます。」
優しい笑顔を浮かべて、
柚花に視線を合わせるようにしゃがむ彼。
「柚花ちゃん、こんにちは。」
「こんにちは!」
「わんちゃん好きなの?」
「うん!!大好き!!」
興奮して立ち上がるトイプードルを抱えると、そっと柚花の前に差し出す。
「ぼく、つくねっていうの。
柚花ちゃん、よろしくね!」
「つくねちゃん?変な名前~!」
「ちょ、柚花…!
すみません、本当に……」
ケラケラ笑ってる柚花の口を咄嗟に抑えると、すぐに頭を下げた。
「いいんですよ、全然!
色見てつくねって決めただけなんで!」
笑いながら私を見上げる彼の笑顔
さすが芸能人…ーー
爽やかで眩しかった。
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