テキストサイズ

ぼっち─選択はあなたに─

第20章 伯爵の屋敷

 オルバはエマのそばに寄ると、耳元で囁いた。

「あの子は伯爵様のお気に入りですよ。余計なことは言わないでちょうだい」
「!!」

 それを聞いて、エマの両目がカッと開く。

「ヒカルが伯爵様のお気に入り……?」
「あなたとはここへ来た目的が違うのです。くれぐれも邪魔はしないように」
「……っ……」

 そうエマに釘を差すと、オルバは無表情でヒカルに振り返った。

「メイドの服に着替えたら、エルザ様の部屋に行きなさい。エマ、案内頼みましたよ」

 オルバは絶望に打ちひしがれるヒカルと、嫉妬にかられたエマの姿を交互に眺めると冷笑した。

 さあ、奴隷たち。
 せいぜい私を楽しませてちょうだい──。


 








ストーリーメニュー

TOPTOPへ