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ぼっち─選択はあなたに─

第22章 闘技場

(まさか彼が王子だったなんて……)

 ユズリノはすぐにひざまこうとするが、下半身が石化されているため、頭だけ下げた。

「おらはメキユ・ヨミギャクだ」
「知ってる。バトルトーナメントの優勝者だよね」
「私はユズリノと申します。あの時は助けてくださりありがとうございました」
「ああ、普通に話していいから。オレは今はリュート弾きのリュージンってことになってるからさ」
「そういえばヒカルが言ってたわ、あなたからエメラルドのペンダントを貰ったって。ヒカルには正体を明かしてないのね?」
「ああ……でもこうなった以上、全て話さなければいけないと思ってる」

 するとリュージンはリュートの弦を弾いて美しい音色を響かせた。

「夜はまだ長い。松明の明かりがあるとはいえ、身動きできない状態では心細いだろう? 少しオレの話と音楽を聴かないか」
「リュージン……」

 夜の闘技場に美しい音色が響き渡る。その音を聴くと、不思議と不安な気持ちが和らいだ。

(レシピェール……あとは任せたわよ)







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