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ぼっち─選択はあなたに─

第7章 ソルトの町(2回目)【選択4】

「レイナ、待って!!」

 もう一度、ヒカルは叫んだ。
 すると、さっきまで動かなかった体がすんなり動いた。

「レイナ、そっちにいっちゃだめだよ!!」

 ヒカルはレイナの肩を掴んで引き止める。

「……どうして? すぐそばにクロードがいるのよ? 私たちを心配して迎えにきてくれたのよ?」
「ねぇ、それって本当にクロードなの? なんで暗闇から声がするの? レイナ、言ったよね。何が聞こえても振り向くなって!」
「はあ? あなたにそんなこと言われたくないわよ! さっきからいろんな声に反応してるのはヒカルじゃない! クロードはね、討伐隊として毎日夜の見回りをしてるの! だから怪しくなんてないのよ!」

 そう言うとレイナは、ヒカルの手を振り払って再び歩き始めた。

「夜の見回り……?」

 ヒカルは考える。
 だったらなぜクロードの姿が見えないのか?
 暗闇の中なら尚更用心して、海にいた時みたいに松明を持ってくるはず。それに本物のクロードだったら、真っ先に姿を現して自分たちのそばに来てくれるはずだ。

「レイナ!!」

 ヒカルは再びレイナを引き止めようとした。
 しかし同時に黒い触手が伸びてきて、ヒカルとレイナは暗闇の中に引きずり込まれてしまった。

「きゃああああっ!!」

 ヒカルの予感は的中した。
 やはりクロードの声は、クロードの声を真似したシャドーだったのだ。


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