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ぼっち─選択はあなたに─

第7章 ソルトの町(2回目)【選択4】

 ヒカルとレイナの両足首には何本もの触手が絡み付いている。そしてその先には、人の形をした黒い影が蠢いていた。

「う、うそでしょっ……まさかクロードまでっ……いやああああっ!!」

 レイナはショックを受けて、錯乱状態に陥った。

(やっぱりクロードじゃなかった!! なんか海で見たシャドーとちょっと違うような気がする……って今はそんなことを考えてる場合じゃない! なんとか逃げる方法を考えなきゃ!)

 そう思った時、二人の足首は上へと引っ張られ、逆さまの宙吊りにされた。

「いやああああっ!!」
「レイナ! 私と手を繋いで!!」

 ヒカルはレイナを落ち着かせようと手を伸ばすが、レイナはパニックになり気づかない。

「くっ……」

 このままでは二人ともやられてしまう。
 そう思った時、

『もしシャドーに会ってどうしようもなくなったらこれを投げて。絶対に死んじゃだめ。これはユッキーメからのお願いよ』

 ふとユッキーメの言葉を思い出した。
 ヒカルは制服のポケットからダーツの矢を取り出すと、無我夢中でシャドーに投げつけた。

 パンッ!!

 風船を割るような音がしたあと、シャドーの本体が発火した。

「えっ!?」

 赤い炎がシャドーを包み込み、一瞬で灰にしていく。無数にあった触手も灰となり、ヒカルとレイナは地面に落とされた。


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