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ぼっち─選択はあなたに─

第8章 カボチャ祭り

「ユッキーメ? ああ、彼女ならもういないよ」
「えっ!?」
「三日前の夜に辞めたんだ」
「!」

 三日前の夜……ちょうどヒカルたちがシャドーに襲われた日の時だ。

「どこに行ったかわかりませんか?」
「ああ、そういえば、ザッハ伯爵の屋敷に行くって言ってたなぁ。ここよりも金がいいからって」

(ザッハ伯爵……なんだか聞いたことあるような……)

「そいやぁ今日の広場でのイベント、主催がザッハ伯爵だったな。なんでもモンブラン城で働くメイドを募集するために、美少女コンテストをするとかなんとか。まさかユッキーメ出るのかなぁ。あいつ胸でかかったしなぁ~グヘヘヘ」
「あの、情報ありがとうございましたぁ!」

 ヒカルは男性店員が気持ち悪くなって慌ててその場から退散した。

「美少女コンテスト……」

 自分には縁がないコンテストだ──じゃなくて、モンブラン城で働くメイドを募集?

(ちょっと待って……そういえば宿屋のおじいさん、モンブラン城から命からがら逃げてきたって言ってたのに、まさかザッハ伯爵はモンブラン城に住もうとしてるの?)

 だとしたら、ザッハ伯爵にモンブラン城は危険だと知らせなければ──!
 そう思ったヒカルはクルリと方向転換をすると、広場の方に歩き出そうとした。

「──ヒカル?」

 ふと横から名前を呼ばれて振り向くと、そこには驚いた表情でこっちを見ているクロードがいた。


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