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ぼっち─選択はあなたに─

第14章 バトルトーナメント【3回戦】

 しかしゲンスケの右手が掴んだのは刀だった。

「速きこと風の如く」

 何かボソリと呟くと、一瞬でアバレセーラーの前から姿を消した。

「……消えた!?」

 急に目の前から消えたヤマモトゲンスケの姿を探すべく、アバレセーラーは辺りを見回す。
 瞬間、背筋に悪寒が走った。

「静かなること林の如く」

「!」

「侵略すること火の如く」

 ヤマモトゲンスケの低い声が背後から聞こえたかと思うと、下半身がなにやらスースーした。

「えっ……なに? いやあああっ!!」

 気づけばアバレセーラーのスカートがまっぷたつに斬られ、下半身が丸見えになっていた。パンツは無事なものの、今まで見えそうで見えなかった男のブツの部分がもろに見え、その姿を目の当たりにしてしまった観客からはブーイングが飛んだ。

「ぴええんっ! 下はなんとか隠してたのにぃ!」

 男の部分を見られたアバレセーラーはやけくそで反撃に出る。

「動かざること山の如し」

 しかしゲンスケにその攻撃は通用しなかった。
 ゲンスケの気迫に圧倒され、アバレセーラーは完全に戦意を失った。

「風林火山・極」

 そう静かに呟くと、ヤマモトゲンスケは刀を鞘におさめた。それは一瞬の出来事だった。

『す……』


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