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お酒とオールバックに溺れる夜

第4章 第4酒 -告白の味-

「あの...純さん、私...その、
昨日のキスの後からの記憶がなくて...」

純さんの
美味しい手作り料理を食べながら、
新たな一面を知る中で、

私は、聞きにくかったことを
遂に質問することができた。

「酸欠と泥酔のせいでぶっ倒れて、
お前の家も知らないし...

仕方ないからここに運んできた」

「すっすみません!
本当にご迷惑おかけいたしました!!」

私は、
食卓から立ち上がって、
深々と頭を下げた。

「本当だよ
全く、世話かけやがって

でも、
酒を飲ましたのは俺だし...
ほっとけなかったから
気にするな」

「純さん、どうしてですか?
どうして、

初対面の私に
そんなに優しくしてくれるんですか?」

その質問に
純さんは、少し間を置いて
理由を教えてくれた。

「...俺も
母親を亡くしてる...

屋上にいたお前は、
親を亡くして

苦しんでた時の俺と
同じ顔してたんだよ

だから...

なんかほっとけないんだわ...」

純さんは
椅子から立ち上がり
私の正面に立った。

そして、
私の頬を
両手で優しく包み込むと、

真っ直ぐな瞳で
見つめてきた。

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