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お酒とオールバックに溺れる夜

第4章 第4酒 -告白の味-

「お前は、
もう、
母親の世界を生きなくていい...

自分が中心の
世界を生きろ」

純さんが
放った言葉は、
ひどく心に突き刺さった。

胸の痛さに
気付かないフリをして

時おり顔を覗かせる
息苦しさに
蓋をして

21年間
自分を誤魔化して
生きてきた。

今まで
脱け出せなかった
暗闇から

一瞬にして
純さんは
救い出してくれたのだ。

全ての呪縛から
やっと解放された瞬間だった。

母への愛情に縛られて、
がんじがらめだった毎日。

自分のことは後回しで、
母が喜ぶにはどうすればいいか、
その事が最優先事項だった。

誰かに言ってほしかった言葉。

私は
私の人生を歩んでいいのだと!

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