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お酒とオールバックに溺れる夜

第6章 第6酒 -嫉妬の味-

「彩菜ちゃん、
も~口悪いんだから~
そんなとこも好きだけど~」

彩菜さんと呼ばれる女性は
連れのお客さんに窘められるも、
彼女が引く様子は全くなかった。

「だって、
純も、いっつもあの子に文句言ってるじゃん!
ストーカーされて迷惑でしょう!!」

「彩菜、お前酔いすぎ...
そろそろ帰れ
いつものタクシー呼ぶから」

「はぁ?全然酔ってないし!
まだ帰らないし!」

一緒にいた男性も帰りを促したが、
彼女は聞く耳を持たなかった。

「あっ、あの、私が帰ります
ごめんなさい!!
気分を害してしまって...」

私は
この険悪な状況を
作り出してしまったことに、
いたたまれず
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

「いい、お前は帰らなくて

座って飲んでろ」

純さんに制されて、
立ち上がったまま
身動きが取れなくなってしまった。

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