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お酒とオールバックに溺れる夜

第9章 第9酒 -家族の味-

純さんのお父様は、
純さんの鋭い印象とは正反対で

とても優しく、
穏やかな性格の人だった。

短く整えられた
白髪のロマンスグレーは、

まるで、
将来の純さんを彷彿とさせるようだった。

私とお父様が話すたび、
純さんは、珍しく
終始落ち着かない様子で、

「食い終わったら、帰れよ!」


ぶっきらぼうに言い放つ
純さんの気持ちを汲んで、

私は純さん宅を後にすることにした。

「あっ、そう言えば

純さんの初恋って?」

玄関で靴を履きながら
好奇心で聞いてみると

「!!
小学生の時の話だよ!

とっとと帰れ!」

少し照れて
慌てている純さんが見れて

本当に色んな表情の
純さんを知ることができたのだった。

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