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お酒とオールバックに溺れる夜

第13章 第13酒 -本心の味-

私はいつまでも
立ってる訳にもいかず

開き直って
席に戻ることにした。

「処女で
面倒臭くて、悪かったですね!」

勇気さんと呼ばれたサラリーマンも
純さんも
バツが悪そうな顔をしていた。

「あれ、聞こえてた?
ごめんごめん!」

勇気さんは
赤ら顔でヘラヘラしている。

「未亜ちゃん、俺に処女くれない?
マスターは処女嫌だって!

だったらさ、処女じゃなくなれば
相手にしてくれるかもよ~

俺にあげちゃえば?笑」

「勇気さん、飲み過ぎですよ」

純さんは
少し不機嫌になったみたいだった。

「ごめんなさい、勇気さん
お断り致します!」

「断るの早くない?笑
俺は、処女好きだよ~」

「好きな人に相手にされなくても

好きじゃない人に
大切な初めてをあげる気はないです

キスやデートや
たくさんの初めては

やっぱり
好きな人がいいんです

例え
その人に好かれてなくても...」

私は
穏やかに
そして
キッパリと
自分の気持ちを伝えた。

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