お酒とオールバックに溺れる夜
第13章 第13酒 -本心の味-
一連のやり取りを
静かに見守っていた
孝哉さんが
「何か、
未亜ちゃん、強くなったね」
と耳打ちしてきた。
「純さんに
自分の人生を生きてもいいって
言われて
それから、
自分の気持ちを
ちゃんと伝えようって
思えるようになったんです...」
「そっか...
未亜ちゃんの心に入る隙は
無さそうだな...
でもね
やっぱり僕も
未亜ちゃんが好きだよ」
孝哉さんは
寂しそうに笑った。
耳元で囁かれた
好きという言葉に
顔を真っ赤にして
照れてしまったけれど
孝哉さんの顔を見て
ズキンと胸が傷んだ。
こんな顔をさせたい
訳じゃないのに。
優しくて
いつも親身になって
話を聞いてくれる
孝哉さんを
傷付けたくはないのに。
それでもやっぱり
孝哉さんを
好きになることは出来ない。
何て返そうか迷って
言葉に詰まっていると
「おい、店でイチャついてんなよ!」
冗談混じりで
からかってきた
純さんの言葉に
重たい空気が
ほんの少しだけ
和らいだ気がした。
静かに見守っていた
孝哉さんが
「何か、
未亜ちゃん、強くなったね」
と耳打ちしてきた。
「純さんに
自分の人生を生きてもいいって
言われて
それから、
自分の気持ちを
ちゃんと伝えようって
思えるようになったんです...」
「そっか...
未亜ちゃんの心に入る隙は
無さそうだな...
でもね
やっぱり僕も
未亜ちゃんが好きだよ」
孝哉さんは
寂しそうに笑った。
耳元で囁かれた
好きという言葉に
顔を真っ赤にして
照れてしまったけれど
孝哉さんの顔を見て
ズキンと胸が傷んだ。
こんな顔をさせたい
訳じゃないのに。
優しくて
いつも親身になって
話を聞いてくれる
孝哉さんを
傷付けたくはないのに。
それでもやっぱり
孝哉さんを
好きになることは出来ない。
何て返そうか迷って
言葉に詰まっていると
「おい、店でイチャついてんなよ!」
冗談混じりで
からかってきた
純さんの言葉に
重たい空気が
ほんの少しだけ
和らいだ気がした。