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第2章 第2話「木村」

と、その男は名刺を差し出してきた。
見た目はスラっとして高身長。ビシッとしたスーツに真っ黒な髪をオールバックにして眼鏡。明らかにエリート系セールスマン的なルックス。

こいつ、もしかして俺が出てくるのずっと待ってたのか?何者?警察?いや、何も心当たりはないし。

とりあえず名刺を見る。

「厚生労働省第13課広報部部長

木村浩二



読み上げてしまう俺。

「はい。数々のご無礼、お許し下さい。」

いやいや、

ふと素に戻った瞬間怒りが込み上げてきた。。。
てゆーか、てゆーか、てゆーか、てゆーか、てゆーか、

0から思い出して、本気で怒りが爆発した。

「ピンポンピンポンうるさい。人の家に無理にでも入ろうとする行動。。。」

気がつけば俺は怒鳴りながら木村の胸ぐらを掴み、罵声を浴びせていた。
腕っ節には自信がある方だ。それに俺は何も悪くない。
人の家に足突っ込んででも入ろうとする挙句、名刺見たら厚生労働省?

ふざけやがって。



だが、木村はニヤニヤしたまま俺の手を軽く弾き飛ばしこう言う。

「まぁまぁ、喉でもお乾きでしょう。これどうぞ。」と
ペットボトルのウーロン茶を差し出す。

その時、俺は手を弾き飛ばされたと同時に体も飛ばされた感じで玄関に尻もちをついていた。

こいつ、強い。

いや、それ以上の者を感じる。

こんなの初めてだ。

リスか何かが蛇に睨まれて動けないような状況。。。


木村はそのまま何か喋り続けているが、俺の耳には入ってこない。

放心状態。

「大丈夫ですか?無理もないですよね?本当にご無礼お許し下さい。もう1度説明し直しますね。」

やっと俺も落ち着きが生まれてきて、木村の言う事が耳に入ってきだした。

気がつくと俺は正座。木村は俺を見下ろしながら話す。
まるで、父親が悪いことをした子どもに説教をするように、諭す。。。

「あ、では結論申しますね。今日から貴方には新型コロナウィルスになってもらいます。」



続く。。。


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