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第4章 第4話「始まりの始まり」

俺は松本五郎。26歳。新型コロナウィルスが世の中を蝕むまで、ごく普通、ごく普通の生活を送っていた。
仕事は、とある小さな飲食店の料理長。料理には自信はある方だ。
と言っても雇われだが。しかしコロナショックで、まさかの店が廃業。。。

仕方ないよな。俺だけじゃないし、いつかはうちの店もこんな状況になるとは想像ついた。
例え、自粛期間が来たとしても、ごく普通の日常だった。


木村。こいつが来るまでは。。。



「で、この話は国家、いや世界的企業秘密だから関係者以外には他言無用でお願いしますね。これだけはお願いしますよ。」

「分かりました。」

俺は木村をリビングまで招きいれて話を聞いていた。



2時間ほど前に遡る。。。


「無駄ですよ、松本さん。まぁ、無理もないでしょうが、貴方は選ばれし者なのです。貴方は完全に包囲されています。
例え、110番にかけようとも、全てシャットアウト。。。私に繋がるようになるのです。」

俺は持っていたスマホを落とし、膝の力も抜け、座りこんでしまった。。。

終わった。。。
俺はマンガか映画の中の世界にでも紛れこんでしまったのか。。。

「ささっ、このウーロン茶でも飲んで一旦落ち着いて下さい。
最初に言いますけど、貴方は死ぬなんて絶対ありません。むしろ、いい知らせなんですよ。」
木村は喋り続ける。

「貴方が落ち着き、話を理解していただけるまで、私、帰れませんので。」

俺が死なない?いい知らせ?
ふざけやがって。
だがもうどうでも良かった。

そもそもこんな状況ありえないじゃないか。。。

「立ち話もなんなんで、こちらに座ってもよろしいでしょうか?」

「あ、部屋汚いすけど、こっちの部屋どうぞ。」

俺は諦め半分以上で、木村をリビングに招き、話を聞く事にした。

「お、では、お構いなく。
だいぶ落ち着いてきたみたいですねぇ。」




「それでは、今から全てをお話しましょう。」

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