新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第7章 死神
次の日。
僕は休み時間に西校舎の方にいた。
聖輝「…ゔぅ……」
一人で上級生の校舎に行くのって怖いな…
優誠くんも付き合ってくれてもいいのに…
聖輝「…ハァ…」
「あれ?涼野くん?」
聖輝「えっ?」
声がした方に顔を向けると、狛犬さんと二宮さんがいた。
狛犬「どうしたの?何か用事?」
聖輝「あっはっはい…ちょっと…」
二宮「……。」
二宮さん…
魔王のお金を半分奪った人…
犯人だって分かっているのに、確かな証拠がないから問い詰められない…
狛犬「…涼野くん?」
聖輝「…えっ?あっ、ごっごめんなさい!」
つい考え込んでしまった……
二宮「で?ここで何してんの?」
聖輝「あっあの…錦戸さんって知ってますか…?」
狛犬「錦戸?誰?知ってる?」
二宮「さぁ?名前すら聞いたことないな…」
聖輝「あっあの…しっ…死神って呼ばれてる人なんですけど…」
狛犬「えっ死神?」
二宮「死神って…刃物振り回す奴のこと?」
聖輝「やっぱり…知ってるんですか…?」
狛犬「うん!超有名だよ!悪霊退散!!って言いながらいろんな奴ボコボコにしちゃうんでしょ?」
二宮「悪霊退散とは言ってなかったと思うけど…相当残酷な戦法だってことは…」
聖輝「そっそうですか…」
狛犬「涼野くん、何で死神のこと聞くの?」
聖輝「いや…それは……」
二宮「あっ、死神。」
聖輝「えっ…?!」
後ろを振り向くと、2年1組から一人の生徒が出てきた。