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新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜

第8章 桜蘭



聖輝「ハァ……」


「どけやこらぁ!!」


「てめぇこそ何見てんだあぁ?!」


聖輝「……。」


まだ通学路なのにもう既にケンカが始まってる…


聖輝「…ハァ……」


「涼野くん!」


聖輝「えっ?あっ、安田さん!」


安田「おはよう。」


聖輝「おはようございます。」


安田「…相変わらず荒れてるね…通学路も…」


聖輝「はい…毎日荒れてますね…」


安田「ケンカしても何もええことないのに…」


聖輝「本当そうですよね…」


安田「まぁ…この学校に入ってしもた限り切っても切られへんのやけどね…」


聖輝「はい……」


安田「そういえば涼野くん、昨日ホテルに行ってなかった?」


聖輝「えっ?!」


安田「いや、たまたま用事あってあの辺歩いてたら…その…男とホテルに入る様子が見えて…」


聖輝「あれ…は……僕…ヤクザに殺されそうになったんです…」


安田「えっ…?!」


聖輝「町中で急に声かけられて…連れて来られた部屋の中に…ヤクザが何人かいました…」


聖輝「連れて来た人は…僕を借金の代わりに使ってほしいって言って…逃げたんです…」


聖輝「それで…その…僕制服着てたので…さが高の生徒だってバレて…ケンカを売られちゃって…」


安田「そうやったんや……」


聖輝「でっでも!殴られそうになった時…助けてくれた人がいたんです!」


安田「えっ?」


聖輝「桜蘭さんっていう着物を着た女性に…助けられました…」


聖輝「男の僕が女性に助けられるなんてみっともない話なんですけど…本当に怖かった…」


聖輝「桜蘭さんがいなかったら…僕…どうなってたか…」


安田「…そっか…よかったね。」


聖輝「はい…本当によかったです…」


安田「桜蘭さんかぁ…」


聖輝「僕、今度桜蘭さんに会ったらご飯でもごちそうしようって思ってるんです!」


安田「おっ、涼野くんなりのお礼の仕方やね。」


聖輝「はい、ちゃんとお礼もせずにお別れしてしまったので…」


安田「そっか…またきっとその人に会えるよ。」


桜蘭さん…今何処にいるんだろう…


何処の誰なんだろう…

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