新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第8章 桜蘭
聖輝「あっあの……一体僕に何の用事が…」
ビュンッ!!
聖輝「うわぁ?!」
男は何も言わずいきなり殴りかかってきた。
ビュンッ!!ビュンッ!!
聖輝「ひぃっ!!たっ助けて!!」
「……チッ…ハズレかよ…」
聖輝「えっ…?」
「ルーキーって呼ばれてるから腕のある奴だと思ってたけど…やっぱり嘘だったか…」
聖輝「えっ……」
「お前…最近狂犬と仲良いよな?」
聖輝「狂犬……狛犬さんですか…?」
「狛犬?はっ、随分可愛らしいあだ名つけたもんだな。」
聖輝「いや…僕がつけたんじゃないんですけど…」
「あの人は自分を犠牲にしてまで相手に尽くす癖がある…お前が近づいたせいで入院してる…」
聖輝「はっはい…分かっています…」
「それに…あの人には……大切な人がいる。」
聖輝「!?」
「その人の為にも……今後一切狂犬と関わるな。」
聖輝「えっ…?!」
「てめぇがいるから狂犬は余計な傷がつくんだ。いいな?」
聖輝「そっそんな…僕」
ガッ!!
聖輝「??!」
「いいか?もう一度だけ言う。今後一切狂犬に近づくな。」
聖輝「…っ……」
僕の胸ぐらから手を離し、男の人は静かにその場を離れた。
聖輝「……。」
大切な人…
一昨日病院にいた人のことだよね…
僕がいるせいで…
狛犬さんの身体を傷つけちゃうんだ…
僕は…狛犬さんに頼りすぎてたのかもしれない…
狛犬さんを傷つけるんだったら……
顔を合わせない方がいいな……