新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第8章 桜蘭
安田「おぉ〜、接客してる。」
聖輝「えへへっ。」
春樹「こんばんは、いつも聖輝がお世話になっております。」
安田「こんばんは、きみは?」
聖輝「紹介します、この人はこのお店の大将さんの息子さんの涼野春樹くんです!」
安田「えっ、涼野?」
春樹「聖輝とは従兄弟の関係にあたるんです。」
安田「あぁ、なるほど…」
聖輝「ちょっと訳あって神戸から東京に出てきて…叔父さん達にお世話になってるんです。」
安田「そっか。」
春樹「あの…さが高の生徒ってことは…やっぱり殴り合いとか…しちゃいますか?」
安田「僕?僕はどっちかっていうと涼野くんと同じタイプかな。」
春樹「あっ、そうなんですか?」
聖輝「うん、安田さんは僕と一緒でケンカとか暴力が嫌いな人なの。」
春樹「へぇ〜…」
安田「正直…暴力だけで物事を済ます不良達を見るのが嫌で…学校ではほとんどケンカはしないかな。」
春樹「そうなんですね…でも、何でまたさが高に進学したんですか?」
安田「何でやろね、落ちこぼれやったからかな?」
聖輝「落ちこぼれ…?」
安田「ふふっ、まぁ…さが高に通う理由なんて人それぞれやね。」
聖輝「……。」
裕子「聖輝くーん!こっち手伝ってもらっていい?」
聖輝「あっ、はーい!」
僕は裕子叔母さんに呼ばれてカウンターの中へと入った。