新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第10章 初デート
櫻井「聖子ちゃんってこの辺が地元?」
聖輝「いえ、地元は神戸です。」
櫻井「あっそうなの?全然関西っぽくないね。」
聖輝「両親が東京の人なので、関西弁はほとんどしゃべれないですね。」
櫻井「へぇ〜、じゃあ高校からこっちに来たんだ。」
聖輝「そうですね…」
櫻井「どう?東京来ると関西とは全然違うでしょ?」
聖輝「そうですね…まず人の多さにびっくりしちゃいましたね。」
櫻井「そっか、でもこの辺はまだ空いてる方だよ?」
聖輝「えっ?!さっきの駅前だけでもすごいにぎやかだったのに…」
櫻井「都会の方に行けばそれの10倍は人いるから。」
聖輝「ひやぁ〜…すごい…」
さすが日本の都市、東京。
いろんなところがにぎわっているなぁ…
櫻井「それにしても、この辺りも3年の間で結構変わったなぁ…」
聖輝「そうなんですか?」
櫻井「うん、俺が中学生の頃はこんなにたくさんお店なかったからね。」
聖輝「へぇ…じゃあさっきの雑貨屋さんも新しいんですか?」
櫻井「新しいと思うよ。」
聖輝「へぇ…でも、あのお店すごかったです。もう見てて飽きないです!」
櫻井「ふふ、聖子ちゃんが好きそうなものばっかりだったもんね。」
聖輝「はい!」
櫻井「そうだ、聖子ちゃん、写真撮ってもいい?」
聖輝「写真ですか?」
櫻井「うん、俺さ、今写真にハマってて、出かけてる時もよく写真撮るんだよね。」
聖輝「そうなんですね、いいですよ。」
櫻井「ありがとう。」
聖輝「…写真なんて久しぶりだなぁ…」
櫻井「えっ?」
聖輝「あっいえ、何でもないです。どう撮りますか?」
櫻井「そうだなぁ…スマホで撮るから…このアングルで。」
聖輝「分かりました。」
僕は久しぶりにカメラに写った。
去年の修学旅行以来、写真に僕の姿が写ることはなかった。
櫻井「聖子ちゃん、デート中時々写真撮ってもいい?」
聖輝「はい、いいですよ。」
櫻井「ありがとう。」
聖輝「あっ、このパフェ美味しそ〜♡」
櫻井「頼む?」
聖輝「はい!すいませーん。」
この後、僕はパフェを食べながらゆっくり過ごした。