新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第13章 忠義くん
時は流れ、日曜日。
この日は鷹人叔父さん達と一緒に忠義くんのお見舞いに行く約束をしていた。
鷹人「聖輝ー!」
聖輝「ハァ…ハァ…ごめんなさい!遅れちゃった…」
春樹「いいよ、俺達も今店から出てきたし。」
裕子「じゃあ行きましょうか。」
僕は叔父さんが運転する車に乗り込み、病院へ向かった。
春樹「学校…最近どう?」
聖輝「えっ?あっうん…何とかやっていけてるかな…?」
裕子「そう…今でも時々あの高校の生徒のよくない噂が流れてるのよ…」
鷹人「あぁ、夜中の暴力事件とかな…」
裕子「聖輝くん!くれぐれも…気をつけてね…?」
鷹人「誰かに殴られたらすぐ俺に言えよ?相手がガキであろうがやっつけてやるからな!
聖輝「うん、ありがとう…」
春樹「さが高って年々荒れてる生徒が増えてきてるから…他校からのバッシングとか酷いんだよな…」
聖輝「そっか…そうだよね…」
裕子「聖輝くん…些細なことでもいいから気になることがあったら何でも言ってね?」
鷹人「そうだ!お前はもう俺達の家族だからな!家族を守るのが一家の大黒柱の務めだからな。」
聖輝「叔父さん…叔母さん…」
春樹「俺も、できることって限られてると思うけど…何かあったら相談して。」
聖輝「春樹くん…」
みんな…どうしてここまで優しくしてくれるんだろう…
僕は誰にもばれないようにひっそりと涙を流した。