新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第13章 忠義くん
春樹「そうそう、昨日たっちゃんとLINEしてたらさ、未だに病院食慣れないんだって。」
鷹人「あぁ〜あれは美味しくないだろ、味気ないし…」
裕子「そうね、患者さんの状態に合わせて作られてるからね。」
春樹「食いしん坊のたっちゃんだと、物足りないだろうなぁ…」
鷹人「そーこーで!俺特製の親子丼がここにあるってことさ。」
聖輝「親子丼?」
春樹「たっちゃんさ、親父の作った親子丼が食べたいってずっと言ってるんだよね。」
裕子「そうそう、あの子はこの人が作る親子丼が大好きなのよ。」
聖輝「へぇ…」
鷹人「みんなの分も作ってきたからあとで一緒に食べような。」
聖輝「わぁ…ありがとう!」
春樹「なぁ親父、親子丼って言ったらさ、たっちゃんいっとき賄いずーっと親子丼だった時あったよな?」
鷹人「あったあった!あれはすごかったな。」
裕子「ふふ、忠義くんよく食べる子だからこーんな大きな丼に作ってたわよね。」
聖輝「えっどれくらいですか?」
春樹「ウチがいつも使ってる丼の1周り大きいやつ、だから…本当これくらい。」
聖輝「うわ、デカ!」
鷹人「あはは!何せ身体も大きい奴だからな。」
聖輝「へぇ……」
春樹「それにね、聖輝くんのこと話したらたっちゃんも会いたいって言ってるんだ。」
聖輝「えっ僕に?」
春樹「うん、結構食いついてたからすぐに仲良くなれると思うよ。」
聖輝「そっかぁ…」
鷹人「おっ着いたか。」
病院に着き、車は地下の駐車場に停めた。