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新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜

第13章 忠義くん



裕子「はい、差し入れの親子丼。」


忠義「うわっ!えっもしかして…大将の手作り?」


鷹人「そう、忠義の分だけ特盛にしておいたぞ!」


忠義「えっ…マジっすか…?」


春樹「たっちゃんずっと親子丼食べたいって言ってたからね。」


忠義「うわぁ〜ありがとうございます!いただきます!」


裕子「ふふ、じゃあレンジで温めてくるね。」


鷹人「おぉ、俺も手伝うよ。」


叔父さん達親子丼を温めに病室を出た。


春樹「そういえばさ、さっき病室にいた人って誰?」


忠義「あぁ、俺の兄ちゃん。」


聖輝「お兄さんいるんですか?」


忠義「うん、両親が離婚して離れ離れになってんけど…たまーにこうして俺に会いに来てくれるんねん。」


聖輝「へぇ…優しいお兄さんですね。」


忠義「うん!」


春樹「いいなぁ…兄弟がいて…」


忠義「せやね…一緒におると楽しいし、いざという時頼りになるしね…」


聖輝「兄弟かぁ……」


春樹「まぁ、俺には聖輝がいてくれたらそれでいいけどな。」


聖輝「えっ?」


春樹「だってさ、この歳になって初めて従兄弟の存在を知ってさ…すごい嬉しかったもん。」


聖輝「春樹くん…」


忠義「春樹から聞いたよ、神戸から東京に来たって…」


忠義「色々大変やったね…」


聖輝「…あの時は本当に何が起こったのか分からなくて…ただただ死にたいって思ってました…」


聖輝「でも…葬式の時に初めておじいちゃん…鷹人叔父さんに会って…疎遠だった父親の息子の僕のことをすごい気にかけてくれて…」


聖輝「住む場所や学校までも用意してくれて…皆さんは僕を絶望の闇から救ってくれた恩人です!」


春樹「恩人って、そんな大袈裟な…」


聖輝「大袈裟じゃないよ!だってあの時の僕は本当に死にかけてたし…」


忠義「2人が出会ったのも有り難い縁やね。」


聖輝「はい!」


春樹「うん、そうだな。」

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