新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第5章 カメレオン
二宮「ところでさ…魔王に何の用事あるの?」
聖輝「えっ…?えっと…」
狛犬「何かね、昨日駅前のスーパーでさが高の連中に絡まれてた時に助けてくれたんだって!」
二宮「はぁ?助けた?誰が?」
狛犬「魔王。」
二宮「あははっ!ありえねぇよ!だって魔王って人に感心持たないから。」
聖輝「でっでも!このお金…絡まれてたお爺さんやスーパーの店長さんに迷惑料だって…」
二宮「ふふ、迷惑料?あの人の存在自体が迷惑なのにお金とか渡す?」
狛犬「やっぱりさ、人違いだよ!人違い!」
聖輝「そうなのかな…」
二宮「つーかそれ迷惑料なんだろ?相手が要らないって言うなら貰っとけよ。」
聖輝「だっダメですよ!!人様のお金をパクるなんて…」
二宮「別にいいだろ。本人だって返してもらいたいって思ってない訳だし…」
聖輝「でも…」
狛犬「よーし!使っちゃえ!!」
聖輝「えぇ?!こっ狛犬さんまで?!」
二宮「狛犬…?」
狛犬「ニノの言うとおりだよ!仮にこれが魔王のお金だとしても、本人と滅多に会えないから使ったってバレないバレない!」
聖輝「でっでも…」
狛犬「ねぇねぇ!みんなでメシ行かない?!」
「おぉー!!」
「太っ腹だな!!」
「ありがとー魔王!!」
聖輝「だっ…ダメ!!!」
狛犬「ちょっ涼野くん?!」
僕は狛犬さんからお金を奪い返し、その場を走り去った。
聖輝「ハァ…ハァ…ハァ…」
僕はいつの間にか屋上の方まで走っていた。
聖輝「ハァ…ハァ…ハァ…」
ダメ…ダメだよ…
人のお金使うなんて…絶対に…
聖輝「…どうしよう…このお金……」
ずっと持っておく訳にもいかないし……
聖輝「……ハァ……」
魔王…一体何処にいるの…?