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新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜

第6章 FULL MOON



聖輝「…ハァ……」


あの人と同じ場所にいると異様に緊張して、思わず出てきちゃった…


だってあの人…ケルベロスそのものだし…


仮に違う人だったとしてもあの顔はちょっと…


聖輝「ハァ…参ったなぁ……」


若井「あれ?聖子ちゃん?」


聖輝「店長…」


若井「どうしたの?VIPルームにいたはずじゃ…」


聖輝「あの…店長…すいません、やっぱり僕…このお店辞めます…」


若井「ちょちょっ、何で急に?」


聖輝「すっすみません、別のところで10万貯めますので…」


若井「いやいや!いきなりそんな事言われても困るよ!」


聖輝「いや…あの…あの人が…」


若井「あの人って…まさか…櫻井様に何かやらかしたの?!」


聖輝「いっいえ、そういう訳では…」


若井「じゃあなに?!」


聖輝「あっあの…その…実は…櫻井さ」


コンコンッ


ガチャッ


黒服「失礼します、店長…ちょっと…」


若井「あぁ…聖子ちゃん、とりあえずここで待ってて。」


聖輝「はっはい…」


僕は店長が帰ってくるまで休憩室にいた。


聖輝「…ハァ……」


どうやって10万貯めようかな…


また別のバイト先探さないとな…


ガチャッ


若井「聖子ちゃん。」


グイッ


若井「今すぐ櫻井様のところに行って!」


聖輝「えっ?!」


若井「櫻井様がきみに話したいことがあるって、さっきボーイから伝言預かった。」


聖輝「なっ?!」


なっ何で僕のことを…?!


若井「ボーイの話によるとちょっと表情が曇ってたらしいよ。」


聖輝「えっ…」


若井「何かやらかしたなら土下座する勢いで謝ってきて!」


聖輝「あっあの…でも…」


ガシッ!!


若井「お願いだ…!!」


聖輝「…っ…!!」


僕の腕を握る力がどんどん強くなっていく。


聖輝「…分かりました…」


若井「…ごめん、ありがとう…」


僕は再びVIPルームへと向かった。

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