新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第6章 FULL MOON
コンコンコンッ
ガチャッ
聖輝「しっ…失礼します……」
僕は重たい足取りでVIPルームへと入った。
そこにはさっきまでいた先輩達の姿はなく、櫻井様1人だけだった。
聖輝「あっ…あの……」
櫻井「聖子ちゃん、こっちに来て。」
聖輝「はっはい…失礼します……」
僕は櫻井様の隣に腰を下ろした。
近くで見ると、確かに櫻井様の表情が曇っていた。
聖輝「あっ…あの……」
怖い…
何を言われるんだろう…
怖くて顔を上げられない…
聖輝「……。」
櫻井「……ねぇ…」
聖輝「えっ?」
グイッ
聖輝「わっ?!」
櫻井「何でさっきから俺の目見てくれないの?」
聖輝「えっ…?!」
僕は櫻井様にアゴクイをされた。
聖輝「あっ…あの……」
急にアゴクイされて、僕はしどろもどろになっていた。
櫻井「ねぇ…どうして?」
聖輝「いやっ…それは……」
ケルベロスに似てるからって言えない…!!
聖輝「あっあの…その……」
顔を逸らそうにも、アゴを掴まれてるから逃げられない。
聖輝「……。」
櫻井「聖子ちゃん、何で俺が話しかけると目線を合わせてくれないの?」
聖輝「えっと…それ…は…」
櫻井「ちゃんと俺の目を見て答えて。」
聖輝「…っ……」
もう…逃げられないか……
櫻井「聖子ちゃん?」
聖輝「………から…」
櫻井「えっ?」
聖輝「…櫻井…様に…見つめられると…恥ずかしいから…です……」
櫻井「恥ずかしい?」
聖輝「はっ…はい…あまりにも…カッコよすぎるから……」
櫻井「……。」
聖輝「……。」
うわぁ…僕ってば何言ってるんだろ…
自分で聞いてても恥ずかしい…!!
僕は真っ赤に染まった顔を隠すように俯いた。