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新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜

第6章 FULL MOON



櫻井「…分かった、聖子ちゃんがそう言うなら…俺は応援するよ。」


聖輝「櫻井様…」


櫻井「ただ、ひとつだけ…お願い聞いてくれないかな?」


聖輝「お願い…ですか?」


櫻井「うん…お店で聖子ちゃんと会える日を増やしてほしい。」


聖輝「えっと…それって…」


櫻井「週に2日だけでもいい、俺との時間を作ってほしい。」


聖輝「櫻井様…」


櫻井「バイトを掛け持ちしてるのはすごい大変なことだって分かってるんだけど…」


櫻井「週に1回しか会えないのも寂しいなって思って…」


櫻井「それに、俺にも都合ってものがあるから…週にたった1回出会えるチャンスを逃してしまう時だってある…」


櫻井「ワガママだって分かってるんだけど…ここのシフトを増やしてくれたら…嬉しいな。」


聖輝「櫻井様…」


どうしよう…


正直10万稼げたらすぐに辞めようと思ってたんだけど…


櫻井「聖子ちゃんはまだ入ったばっかりだから分からないと思うけど…この仕事ってさ、楽しいと思うんだよね。」


聖輝「えっ?」


櫻井「お客さんと楽しくおしゃべりするだけで給料もらえるし、いろんな人が来るから自分にとってタメになる話だって聞ける。」


櫻井「そりゃあお客さんに対して気を使うことはたくさんあるけど…飲食店やコンビニとかで忙しく働くよりはずっといいと思うよ。」


聖輝「確かに…言われてみれば……」


櫻井「ね?だから、もう少し聖子ちゃんと会える機会が欲しいな…」


聖輝「櫻井様…」


確かに櫻井様の言うとおり…


このお仕事…経験していくと楽しいかもしれない…


聖輝「…もう少し…ここで頑張ってみようかな…」


櫻井「えっ本当に?」


聖輝「はい…もう一日…シフト増やしてみます。」


櫻井「うん、ありがとう聖子ちゃん!」


聖輝「はい…」










何でか分からないけど…










この仕事頑張りたいって…思い始めた。










お父さん…お母さん…









僕はまた知らない世界へと一歩踏み出しました。

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