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美しい狼~その牙で骨まで食べ尽くされたい~

第20章 かき氷と欲望

夏目side

浴衣なんて初めて着ました

似合ってるかどうか不安で
恥ずかしかったけど

要様に褒めてもらえて
心から嬉しかったのです。

神社に着くと
出店が立ち並び
美味しそうな香りが立ちこめ

はやしの音が
高揚感を高めます

日に焼けたアスファルトの匂いと
夏草の香りが
風に運ばれて

浴衣の袖から
通り抜けていきました

隣には
遊びに来ている
女性がみな振り向く
綺麗な黒髪を流し
甚平さえカッコ良く着こなしてしまう
要様

私は、とても得意気でした
要様が握る手は力強く

はぐれないように守って下さる気遣いに
どれほどの
羨望と嫉妬の視線を浴びようとも

頬は緩み
幸せいっぱいなのでありました。

それに
何だかいつもより要様が
優しく感じるのは気のせいでしょうか?

私は、
リンゴ飴や綿菓子
焼き鳥にたこ焼きと
たくさん買ってもらってご満悦です

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