
歪んだ僕らの
第1章 壊れた日
空き教室、図書室、音楽室…
色んなところをくまなく探したが、全然見つからない。
もしかしてもう学校にはいない?それとも教室に戻った?
「わかばちゃん…どこにいるんだ…」
教師に見つからないように歩いていた時だった。
「……ッ……ん…」
微かに遠くから声が聞こえた。
よく聞こえないのになぜか確信した。この声はわかばちゃんだと。
その声を辿るように進めば、着いたのは視聴覚室だった。
中から物音と水音、呻き声が聞こえる。
もう頭では何が起きてるのか理解していた。
でも信じたくない、見たくない。
それでも僕はドアに手を掛けてしまった。
