
歪んだ僕らの
第5章 まどろみ
家に着いてからもわかばちゃんはずっと暗い顔をしている。
「はい、紅茶どうぞ」
「ぁ…あおちゃんありがとう」
震えながらも紅茶を飲んで心を落ち着かせようとしている。
…僕に縋るほど追い詰めてくれた輝咲に感謝する反面、どんな形であれここまでわかばちゃんに自分を刻み込んだ輝咲が憎い。
そう考えたらアイツの計画も成功なのかもね。
まあでも…
輝咲が深くつけた傷を甘くどっぷり癒すのが僕の役目だ。
アイツのことなんか忘れさせるくらい、いやそれを逆手にとって僕に溺れさせてやる。
「…わかばちゃん、こっち向いて」
「…ぁん…」
わかばちゃんの頬に手を当てて優しくキスをする。段々と深く甘く、舌を絡めていく。
ちゅとゆっくり唇を離せば、わかばちゃんは惚けた顔をしている。
「今は全部忘れて、僕を感じることにだけ集中して?」
「…ぁ…あおちゃ…」
優しく、丁寧に、
壊れ物を扱うように彼女に触れていく。
