
狼からの招待状
第5章 化石の街
「ニュースの写真も」タオルを肩から取り、体を拭き、「相手の男もまだ若い。キャンパス・カップル…って感じ」「─うん…」
波止場で、射殺体で発見された二人は、麻薬にからんだ金銭トラブルで、大阪─名古屋と逃げたあげくに、高飛びしてこの街に辿り着いたらしい。
「船で逃げようとしたのかな」「……」
事件から10日近く経つが、犯人はまだ逮捕されていない。
「グレが、この事件の検死のアシスタントをして、警察からの情報は詳しいけど」たたんだタオルを膝に置き、「麻薬グループの内輪揉め。それで、幕引きらしいんです」「そう…?」「二人とも、麻薬やってた。常習者だったそうです」ユノの脳裏に、過ったウンギョンの顔。
「…そんなふうじゃ、なかった…。でも」フライが、黙って視線を向けてくる。「一緒にカフェで」ため息をつき、「朝食とりながら、少し話した」窓際の方から、大きな掛け声が響く─
「ユノ先輩」フライが云う。「亡くなった二人は、気の毒です…それをユノ先輩が気に病むのは、俺も辛い」また、響く掛け声─
「…うん。心配かけるね」フライに笑ってみせながら立ち上がり、「シャワー浴びてくる。今夜は店には行かない。明日、チャンミンに会うんだ」
波止場で、射殺体で発見された二人は、麻薬にからんだ金銭トラブルで、大阪─名古屋と逃げたあげくに、高飛びしてこの街に辿り着いたらしい。
「船で逃げようとしたのかな」「……」
事件から10日近く経つが、犯人はまだ逮捕されていない。
「グレが、この事件の検死のアシスタントをして、警察からの情報は詳しいけど」たたんだタオルを膝に置き、「麻薬グループの内輪揉め。それで、幕引きらしいんです」「そう…?」「二人とも、麻薬やってた。常習者だったそうです」ユノの脳裏に、過ったウンギョンの顔。
「…そんなふうじゃ、なかった…。でも」フライが、黙って視線を向けてくる。「一緒にカフェで」ため息をつき、「朝食とりながら、少し話した」窓際の方から、大きな掛け声が響く─
「ユノ先輩」フライが云う。「亡くなった二人は、気の毒です…それをユノ先輩が気に病むのは、俺も辛い」また、響く掛け声─
「…うん。心配かけるね」フライに笑ってみせながら立ち上がり、「シャワー浴びてくる。今夜は店には行かない。明日、チャンミンに会うんだ」
