
狼からの招待状
第2章 霧魔
行儀良く整列したカードのうえを、フライの手を離れたダイスが転がり…止まる。ダイスの目は6。ダイスの下のカードを裏返す─ダイヤのA(エース)。「6+A…1。だから合計7」「合計の多い方が勝ち。累計して、客が来たら打ち止めです」 グレの説明に頷くと、フライが「賞品はこれ」レンガの棚から、マスカットいろの薄い紙幣のようなものをひらひらと、出す。
ユノが手にした紙切れに見入っていると、「宝くじ。抽選会はクリスマス・イブ」「え? 当たったら、いいな」指先から取り上げ、「億万長者になれる…イブの夜」棚に立て掛けて、戻す。
「マスターが無銭飲食の客のポケットから、取り上げた…」「ワケありの曰く付き。縁起物です」ククッと笑い声を立てるグレ─フライもにやにや笑い…「ユノ先輩。どうぞ」ダイスがユノの前で転がり止まった。また、6の目。
──カウンターの端からダイスが…ぽーんと弧を描き、先端のカードの脇に落ちた。「難しいね。おれ不器用だし」「4の目が出ましたよ」フライがダイスをつまみ上げ、面をこちらに向ける。「返すカードはない。じゃ…、グレ」指先ではじくダイス、宙で受け止め、つぶてを投げつける仕草で放った。
ユノが手にした紙切れに見入っていると、「宝くじ。抽選会はクリスマス・イブ」「え? 当たったら、いいな」指先から取り上げ、「億万長者になれる…イブの夜」棚に立て掛けて、戻す。
「マスターが無銭飲食の客のポケットから、取り上げた…」「ワケありの曰く付き。縁起物です」ククッと笑い声を立てるグレ─フライもにやにや笑い…「ユノ先輩。どうぞ」ダイスがユノの前で転がり止まった。また、6の目。
──カウンターの端からダイスが…ぽーんと弧を描き、先端のカードの脇に落ちた。「難しいね。おれ不器用だし」「4の目が出ましたよ」フライがダイスをつまみ上げ、面をこちらに向ける。「返すカードはない。じゃ…、グレ」指先ではじくダイス、宙で受け止め、つぶてを投げつける仕草で放った。
