妄想小説
第6章 家庭訪問で元彼と
ガチャ
『どうぞ〜いらっしゃいま…えっ?』
「…奈々?」
そこに立っていたのは、学生時代に付き合っていた健だった。
『た、健?どうして…』
「いや、家庭訪問で…。そうか、名字変わってたから気付かなかったけど、翔くんのお母さん…ってことか」
『あっ、翔の担任の先生なのね…私も名字しか知らなかったから…』
10年ぶりの再会に、お互い俯いてしまう。
しかし今はそれぞれの立場でやっていくしかないと奈々は思い、顔を上げた。
『こんなところでごめんなさい、上がってください』