放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第12章 夏祭りと毒林檎
一番星の輝く薄闇の空に、オレンジの提灯が並んで風に揺れている。
浴衣の人、下駄の音。
弾む声が駆け抜けて、屋台の呼び込みの声がたのしそうに響く。
「おまつりぃ~って感じ!」
「わくわくするね」
待ち合わせの時間、お祭り会場である神社の境内にたどり着いた。
少し歩くと、待ち合わせ場所が見えてきた。
大きな松の木の下、池にかかる赤い橋の上に、浴衣の男子が二人いる。
ベージュの髪色と、黒髪の後ろ姿。あれは間違いなく、澄くんと東くんだ。
ドックンと脈が波打つ。
「ふー……、緊張してきたぁ……」
「色葉! 大丈夫だから、ぜったい俯かない。可愛さ見せつけて悩殺だよ!」
「悩殺できるわけないでしょ……」
「もー! なんでそんな自信ないの!? ミナが色葉だったら毎日インスタに自撮り載せちゃう」
「……え」
会話しているうちに近づく距離。
二人の背中がすぐそこまで来て。
「あーずまっちぃ♡」
「おあっ!」
ミナが東くんの背中に飛びついて東くんがよろけた。
それとほぼ同時に、澄くんが振り返る。
――ドックン。
浴衣の人、下駄の音。
弾む声が駆け抜けて、屋台の呼び込みの声がたのしそうに響く。
「おまつりぃ~って感じ!」
「わくわくするね」
待ち合わせの時間、お祭り会場である神社の境内にたどり着いた。
少し歩くと、待ち合わせ場所が見えてきた。
大きな松の木の下、池にかかる赤い橋の上に、浴衣の男子が二人いる。
ベージュの髪色と、黒髪の後ろ姿。あれは間違いなく、澄くんと東くんだ。
ドックンと脈が波打つ。
「ふー……、緊張してきたぁ……」
「色葉! 大丈夫だから、ぜったい俯かない。可愛さ見せつけて悩殺だよ!」
「悩殺できるわけないでしょ……」
「もー! なんでそんな自信ないの!? ミナが色葉だったら毎日インスタに自撮り載せちゃう」
「……え」
会話しているうちに近づく距離。
二人の背中がすぐそこまで来て。
「あーずまっちぃ♡」
「おあっ!」
ミナが東くんの背中に飛びついて東くんがよろけた。
それとほぼ同時に、澄くんが振り返る。
――ドックン。