放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第12章 夏祭りと毒林檎
「……」
時間をかけて、ためこんだ空気を吐くように、澄くんが言う。
「あの日のことは、本当にごめん」
震える声だった。
辛そうな顔を見ていられなくなる。
涙がでそう。
何で澄くんが謝るの?
どうしてそんなつらそうな顔するの?
「俺のせいであんなこと……俺が色葉のトラウマを作ったんだ」
やめて、何も関係ないよ。
澄くんは、青井先輩じゃないでしょう?
でも声が詰まって、全部が言えなくなる。
首を横に振って否定を繰り返す。
澄くんは優しく腕を引いて、光の無い目であたしを見つめた。
「だから……俺と一緒にいるとしんどいだろ?」
なにそれ?
どうしてそうなるの?
数回の深呼吸のあと、絞り出すように声を出した。
「しんどくない……。あたし澄くんと居たらドキドキするけど、嬉しいよ」
しりすぼみになっていく語尾は震えて、緊張がふたりを包んでいく。
何か言って……澄くん。
しんどいでしょ?って聞くのは、澄くんがそうだから?
「澄くんはあたしといたらしんどいの?」
「……いや……」
澄くんは言葉を濁した。
否と答えておきながら、YESの意味を感じるような、声色で。
……あたしと居るのが辛いなんて、嘘であってほしい。
ちょうどその時、ミナたちに声をかけられた。
「やっと見つけた~! もうどこ行ってたのぉ?」
そしてそのまま、その話題には触れず、当たりの障りのない会話を繰り返し、お祭りは幕を閉じてしまったんだけど……。
時間をかけて、ためこんだ空気を吐くように、澄くんが言う。
「あの日のことは、本当にごめん」
震える声だった。
辛そうな顔を見ていられなくなる。
涙がでそう。
何で澄くんが謝るの?
どうしてそんなつらそうな顔するの?
「俺のせいであんなこと……俺が色葉のトラウマを作ったんだ」
やめて、何も関係ないよ。
澄くんは、青井先輩じゃないでしょう?
でも声が詰まって、全部が言えなくなる。
首を横に振って否定を繰り返す。
澄くんは優しく腕を引いて、光の無い目であたしを見つめた。
「だから……俺と一緒にいるとしんどいだろ?」
なにそれ?
どうしてそうなるの?
数回の深呼吸のあと、絞り出すように声を出した。
「しんどくない……。あたし澄くんと居たらドキドキするけど、嬉しいよ」
しりすぼみになっていく語尾は震えて、緊張がふたりを包んでいく。
何か言って……澄くん。
しんどいでしょ?って聞くのは、澄くんがそうだから?
「澄くんはあたしといたらしんどいの?」
「……いや……」
澄くんは言葉を濁した。
否と答えておきながら、YESの意味を感じるような、声色で。
……あたしと居るのが辛いなんて、嘘であってほしい。
ちょうどその時、ミナたちに声をかけられた。
「やっと見つけた~! もうどこ行ってたのぉ?」
そしてそのまま、その話題には触れず、当たりの障りのない会話を繰り返し、お祭りは幕を閉じてしまったんだけど……。