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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第2章 関係のハジマリ

「姫路さんだ!相変わらず神々しい美しさ!」

「姫路さーん。今日もかわいいねぇー!」


桜咲く季節。
柏木高校、昇降口から校舎にはいり、


「うわ姫路先輩だ!」

「らっきー、顔ちっちゃーかわいいー」


それから二年二組の教室に入る。


「姫路さんかわいー。付き合ってくんねーかなぁ」

「お前……無理だって!身の程考えろよ!」

「えー無理かなぁ―」


ふざけ半分で通り過ぎていく男子たちの談笑はもちろん全部聞こえていて……。


あたし、姫路色葉は、俯き気味に小さくなってスクバを抱きしめる。


生まれつきウェーブのかかった栗色の長い髪で顔を隠すように俯いて登校するのが、マイルールになりかけている。


「ほんと男子ども鬱陶しいよね」


小学生の頃から同じ学校に通う親友のサラは、道行く男子たちにガンを飛ばすのが日課になりつつある。


「わたしの色葉と付き合いたいだなんて、この身の程知らずめ!」


そして悪態。


「そ……そんなことないってば」


ていうか聞こえるよ、しぃー……!


「えぇ~身の程知らずでしょぉ。あのレベルで色葉に近づくなんてぇー」


反対隣に歩く茶髪のボブがトレードマークのミナが甘ったるい声で笑う。


ミナは高校に入ってから仲良くなった友達だ。



「色葉にはもっと精神的にもレベル高い人がいいよ。絶対にね」


とアドバイスをくれるサラは理想が高い。


でもそんなサラには理想の彼氏がいる。付き合って一年くらい。


「あーぁ。ミナも色葉みたいに色白で、痩せててぇ、髪の毛くるくるでー、お目目ぱっちりの美人だったらなぁ。モッテモテ人生うらやましいんだけどぉー」



リップで色づいた唇に人差し指をあてて、上目遣いであたしを見上げるミナは十分可愛いし、それにミナにだって彼氏がいるんだ。



二週間前に、同じクラスの東くんと付き合った。



「ってかね、聞いてっ!」


突然思い出したように明るい声をあげたミナは口元に手を添えた。


そこにサラと耳を近づけてみれば。


聞こえてきた言葉に心臓が大きく鳴った。



――『昨日、エッチしちゃった♡』

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