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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第7章 初夏とカップケーキ

刺すような視線が、先輩を追い払ったのか、


なぜかあっさりと先輩は、あたしたちに手を振った。



「じゃー今日は諦めて勉強戻るわ。またねー」


”またね”


それに深い意味があるなんて、


この時のあたしは知る由もなかった。





二人きりになった放課後の廊下に澄くんの声が小さく響く。



「色葉は隙がありすぎ」

「隙……?」

「これ。ほかの誰かにあげるなんて俺、妬いちゃうんですけど」


妬く?

ヤキモチって意味……?


もう、どういう気持ちでそんな言葉使うんだろう。


それに双子って……。


双子……


「ふ……双子……っ」


いまになって面白くなってきてくすくすと肩を揺らして笑うと、澄くんは少し頬を赤らめて「嘘も方便」って苦し紛れの言い訳をしてくる。


「よくバレなかったよね……っ、あははっ」


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