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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第7章 初夏とカップケーキ

「色葉笑いすぎだろ」

「ごめん。嘘も方便だもんね……」


ちらりと気だるげな瞳が未だ笑うあたしの方に寄る。


「つーか、嘘っていうと色葉のイメージこそ嘘だよね」


澄くんの指先があたしの制服に触れて、ブラウスのボタンとボタンの隙間から指が侵入する。



「……え?!」



器用にうねる指先は、キャミソールをくぐり、ブラの内側へたどり着いて



「はぁ……ん」



胸を這う指は胸の先をくるりと一周描いた。


「や……んっ」


「ね、淫乱色葉。こんな本性もってるくせに、真逆みたいに隠してる色葉のほうが、嘘も方便」


くるくると描いた指先は、高速で先をこすりはじめて息が乱れる。


声をこらえていると、とどめのように、きゅっとつままれてしまって。


「あぁん……っ」


「ほらね……。ひとのこと言えない」


いたずらっぽく言ってあたしの服の中から抜かれた彼の指。



胸も、あそこも、じんじんと切なくて

……名残惜しいよ……。


でもここは誰もいないとはいえ廊下。


深呼吸して、気持ちを落ち着ける。



「てか色葉のブラってサイズ合ってなくない?」


「え……うん。サラたちにも今日言われちゃって、このあと買いに行くんだ」



「へー……。たのしみ」


にやり、笑うその意味って……


「一番に見せてね」


もう、からかわないで……。


澄くんってちょっといたずらっぽいよね。


とくにさっき。


「澄くんが双子とか、冗談いうなんて意外だったなぁ……」


「俺べつにそんな真面目なキャラじゃないんだけど」


「そうなの?」


「そーだよ」



両ポケットに手を突っ込んだ澄くんは、ふっと呆れの笑みを浮かべる。


「今度、もっとちゃんとしゃべろっか」



流すような伏し目。穏やかな声がそんな提案をしてくれてドキっとする。


「……うん」


それって、セックス以外での時間?

はにかみをこらえきれずに俯いてしまう。

意図なんかわからないけど……それでもうれしい。



だってなんだか、特別 みたいだから。


澄くんは他にも相手がいるの?なんて疑問を問うことが怖くなるほど、嬉しいの。

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