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キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~

第9章 鬼畜変態野郎とお口でプレイ



グッと顔を固定されると、この人の顔が近づいてきた。それに合わせて目を閉じると、チュッと唇が重なった。

お互いの唇を啄む。でも、この人の柔らかさを堪能する前に唇が離れた。この人の唇は柔らかくて好きなのに、とても残念だ。


「ここでお別れだ」

「……へ?」

「首輪の意味、忘れんじゃねーぞ」


何の話って聞く前に、この人は立ち上がって私に背中を向けた。無意識にこの人に手を伸ばす。でも何もつかむことができず、トイレから出て行ってしまった。

さすがに店内にいるんじゃないかと、急いでトイレから出ても姿はなかった。隠れてるんじゃないかとお店の中を見渡してたら、店員さんが、「お連れ様は帰られましたよ」と教えてくれた。

出会いも突然なら、別れも突然だ。今日お別れって覚悟はしていたけど、こんなにもあっけなく終わるなんて想像してなかった。


「ほんとにサイテーな男」


もっとちゃんとお別れしたかった。一生の思い出に残るように、キレイに終わりたかった。これじゃ本当にヤリ逃げされたみたいじゃないか。いろいろな意味で一生思い出に残りそうだけど。


「結局最後まで、行くなって言ってくれなかったな。ヤリ目的だから当たり前だろうけど、……ウソでもいいから……」


ボロボロと涙がこぼれ落ちた。ずっと我慢していた負の感情が爆発して、泣かずにいられなかった。我慢すら出来なかった。


「おっ、お客さま!?」


悔しいかな。どうやら私は鬼畜変態野郎のことが大好きで、大好き過ぎて、愛を覚えてしまったらしい。

きっともう忘れられない。この首輪がある限り、私はあの人に縛られたまま。

名前も知らないあの人に、ずっと恋をし続けるんだ。


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