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キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~

第10章 鬼畜変態野郎と溢れる愛



無事に魔界に帰ってきた。

パパに泣かれ、ママに怒られたけど、手土産のバームクーヘンのおかげで何とかすることが出来た。

勇者一族のこともパパに話した。


「……納得出来ないが、……奇跡的に話し合える世代がきたということ。その奇跡に感謝し、これからの世代に繋げ、平和に導くことが、わたし達、それからおまえ達の役目だ。だからこそ、平和に導くためにおまえにやってほしいことがある」

「パパ、分かってるよ」

「……気づいてたか」

「さすがに分かるよ。だから大丈夫。……魔界のためだもん、覚悟は出来てる」

「……そうか、では相手の説明を……」

「いいの!そーいうのいらない!あとはパパの好きにして!」


これからの未来の覚悟を決めた私は、未来の旦那様について何も聞かなかった。相手のことを私に教えないように徹底的してもらった。聞いても意味がないと思った。これからの未来が描けなかった。

もちろん、ずっとこのままでいるつもりはない。そのときまで、未来の旦那様と結婚するまで、それまでは、あの人を想っていたいと思った。


「日記の続き、書かないと」


あの人がくれた言葉も、しぐさも、温もりも忘れたくなくて、途中で止まっていた日記を書いた。くだらない会話、タバコを吸うときのくせ、手の大きさ。あの人が恋しくなって泣いてしまうこともあったけど、それでも思い出して書き続けた。

一週間ちょっとの出来事なのに、日記帳十冊分になっていて、それがちょっとおかしくて、ようやく笑うことが出来た。


「……首輪の意味か。……縛られてるよ、ちゃんと。……こんなにも……」


今日、未来の旦那様に会う。結婚前の顔合わせだ。王家のしきたりじゃ珍しいことだけど、人間と魔族の結婚だもの、みんなも不安なのだ。


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