キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~
第10章 鬼畜変態野郎と溢れる愛
「お嬢様、そのお首のお召し物は……」
「外したらダメよ~。外さなくてもいいように、ドレスだってこれに合わせて作ったんだから」
「……鈴に、……これって模様ですかにゃ?」
「何?模様がどうしたの?」
「ただの汚れですかにぇ~」
「あらやだ~、汚れは拭いてね~」
「えー、お似合いですにゃ~。さすがキツネ様ですにゃ、汚れすらも着こなすなんて~すごいですにゃ~」
「いやーん、このネコメイド生意気過ぎて喉仏に噛み付いてやりた~い」
和気あいあいと、専属のネコメイドと支度をして、迎えに来てくれたママと一緒に大広間へ向かった。未来の旦那様はもう到着しているらしく、大広間でパパと楽しく話しているとかなんとか。
何で初対面のくせにパパと仲良くなってんだって思ったけど、もうすぐ家族になるんだ。みんなが仲良しになれるのなら、こんなに嬉しいことはない。
「いいの?」
「えっ、何が?」
「好きな人がいるんでしょう?」
突然のママの質問に、やっぱりママの目はごまかせないなと笑って、ゆっくりと歩きながら大広間を目指した。
「その首輪、好きな人がくれたのね」
「……まぁ、……キツネだからって理由で付けられた」
「そういうのも懐かしいわね~。私もパパに出会ったとき、すっごくかわいくて大きなキツネがいると思って、急いで持っていた縄を首に巻き付けたのよ~。あの人の驚いた顔は忘れられないわ~」
魔王の首に縄を巻き付けた人間のママが魔王より魔王なドSで、私と同じことをされたパパはドMだった。
「でも、何で平気だったの?パパの見た目って獣そのものなのに。ほら、美女となんちゃらそっくりだよ」
「んー、異種姦ってどんなものか気になって~。ただの好奇心よ~」
鬼畜変態野郎と同じことを言ってる気がした。
「でもほら、パパってああ見えて素直でかわいいじゃない?私の手のひらで転がるさまが楽しくてね~」
鬼畜変態野郎と同じ匂いがした。
「ならいっそのこと私のモノにしてあげようかなって~」
鬼畜変態野郎と同じだ。
「ソウナンダ~、ヨカッタネ~」
これ以上、両親の馴れ初めを聞きたくないので、無理やり話を切った。