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キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~

第2章 鬼畜変態野郎と首輪


勇者討伐に失敗したので、作戦を練り直すべく家に帰ろうとした。しかし勇者である男がそれを許さなかった。

「せっかく仲間になったんだ、敵を倒すまで一緒に暮らろうぜ」
「仲間?」
「俺の仲間になるために来たんだよな。まさかそれもウソだとは言わねーよな」

全裸で放尿事件のせいで、その設定をすっかり忘れていた。仲間になるフリをして殺す予定だったのだ。

鬼畜変態野郎と一緒に暮らすなんて、どう考えても貞操の危機だ。でも敵の動向を見張れるし、すきを見つけて殺れるチャンスも増える。どう考えてもお得だ。

「分かった。今日からよろしくお願いします」

こうしてキツネ様は勇者である男、鬼畜変態野郎の仲間になった。

鬼畜変態野郎の家は、1LDKだ。3畳のカウンターキッチンに、12畳のリビングダイニングと10畳の洋室。キツネ様の部屋よりも狭い。特に洋室なんてひどいものだ。セミダブルサイズのベッドとか、ペット用と変わりない。こんなもので寝るなんてどうかしている。

でも今日からここが家になるんだし、勇者である男を討伐するためだ。ある程度のことは我慢しようと思う。

そんなこんなでいきなり一緒に暮らすことになったので、必要なものがいろいろある。すぐに討伐が終わると思ってたから、財布しか持って来てなかった。

それを買いに行くことになり、耳と尻尾をどうにかこうにか隠して、鬼畜変態野郎と人間の街までやって来た。

「えーーっ、見て!いつも使ってるメーカーの新作の化粧水だって!あっ、でもこっちも新作だ!」
「違いが分からん」
「そんなもん私も分からないわよ。使ってみてようやく分かるの。女の子の周期によって肌質を変わるし、一概にコレって言えないの。それが化粧品ってやつなの」
「へーへーお好きにドウゾ」
「やった!」

洋服に下着、シャンプーにコンディショナー、歯ブラシにコップ、化粧品に何かその他モロモロ。必要なものを必要な分、片っ端から買っていく。もちろん会計は鬼畜変態野郎だ。やつもそこに関しては当然のように財布を出していた。意外と男なのだ。鬼畜で変態だけど。

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