
キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~
第4章 鬼畜変態野郎と拘束プレイ
ベッドをともに……という約束から六日がたった。一応勇者の仲間だから、イベントが起きるかと思えば、特に何かあるわけでもなく、毎日をのんびり過ごしている。
鬼畜変態野郎も、勇者のくせに、特に目立った行動をしていない。世界を混沌に陥れている張本人とは思えないほど、普通の日常を過ごしているのだ。
今日もそう。朝は私より先に起きて、ご飯を作って、それを一緒に食べて、食後のコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。本当にこいつが勇者?って疑うほど、勇者らしくない。
でも、能あるタカは爪を隠すっていうから、勇者らしくない勇者を演じて、キツネ様の目をごまかしているのかも。
だがしかし、キツネ様はだまされない。勇者討伐するために何でもするって決めたんだ。それにもうすぐ決着が着く。魔族の勝利で世界に平和を取り戻すのだ。
「今日のフルーツはおいしいね!特にパイナップルとか、みずみずしくて甘くてサイコーにおいしい」
「果物屋のおすすめ」
「イチゴも甘くておいしい」
「果物屋のおすすめ」
「でもオレンジはダメだね。みずみずしさが足りないし、何か味が変だよ」
「それ2週間前のやつ」
「キツネ様になんてものを食わせてるのよ!!」
「残飯処理」
「きいいいいいっ!!」
朝から騒がしい会話をしていると、テレビから、最近の魔族の動向っていう物騒な音声が聞こえてきた。まさに今すぐほしい情報だから、鬼畜変態野郎からテレビに集中した。
「魔族は人間界へ侵入し、野蛮な行為を繰り返しています。これを止める勇者様ですが、現在も行方不明とのことです。魔族が現れた町や周辺の地域は十分に警」
プツンとテレビが消えた。それをしたのは鬼畜変態野郎だ。行方不明なの?って質問をしたかったけど、鬼畜変態野郎のモラルや性癖が行方不明みたいなもんだから、そこに踏み込んでいいものか戸惑う。
