
キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~
第6章 キツネ様の話し合い
「ほーう、立派な剣だ。でもダメだな、これは。俺を斬るには安物過ぎるぜ」
鬼畜変態野郎は、目映い光をまとった手でその剣をへし折った。それはもうパキッと簡単に、レタスでも千切るように。私も男の人も、この人に二度と反抗しないと心に決めた。
「発情期のキツネとセックスしてーだけなら別の場所でやってくれ」
おおっとまさかの展開だ。偉そうにソファーに腰掛けて、くそみたいなことを言った鬼畜変態野郎に詰め寄った。
「何でそうなんのよ!こいつ私を犯そうとしたのよ!早く取っ捕まえてボコボコにしなさいよ!」
「ああ?おまえも誘ってただろ。良かったじゃねーか、子種をもらえて。これで将来は安泰だな」
「こんなくそみたいな男の遺伝子なんて要らないわよ!」
「やかましいぜ、まったく。あとはおまえらで仲良く話し合えよ」
本当にめんどくさいって態度で、今度は近くにあった新聞を開いた。確かに朝に読んでなかったけど、だからって今ここで読むものじゃないと思う。
「ぐぬぬぅ!」
猛烈に腹が立つのはどうしてだろう。素っ裸でうなっても滑稽なだけなのに、それでも怒りが優先されてしまう。
「あっ、あの」
「うっさいわね!黙りなさいよ!」
「ひえええっ」
男の人に一喝したものの、とても良い案を思い付いて、服を着ながら話し掛けた。
「あんた他に武器とかないの?」
「えっと、……これです」
差し出してきた物は、手錠だった。しかも見る限り、猛獣とか魔族とか捕まえる用のやつ。ニヤリと笑う私の素晴らしき作戦に気づいたのか、男の人はうんうんと首を縦に振った。
この瞬間、くそみたいな遺伝子を持つ男の人と想いを一つにした。
