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二度目の夏

第1章 秘密は橋の下で

「…だいじょうぶかなぁ?」
「んん…」

頭を優しくなでられている感触。
まぶたをあける。
少しまぶしい。

(えっと…えっと…なんだっけ…)

自分が仰向けに寝ているらしいことにようやく気づく。
ぼやっとした意識がじわり戻ってくる。
目の前に女の人。
顔をのぞき込んでいる。
すごく近い。

(えと、ユーコせんせい…?)

「あっ」
口を開けて声を出してしまう。
「えっ?」
ユーコ先生がおどろく。

どきどきどき…

心臓が、なっている。

「大丈夫よ…大丈夫…ここは保健室よ」

ユーコ先生が落ち着かせるように、頭を再び撫でてくれた。

「体育で少し走ったあとに貧血で倒れちゃったのよ…横になっていたら大丈夫だから…」

(…そっか…また倒れちゃったんだな…)

情けない気持ちだった。
でも、身体にはまだ力が入らなくて、起き上がれそうになかった。



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