
邪恋の爪痕と片恋の彼
第6章 戻らない日常
「あ――――!いた、サインお願いします」
勢いよく玄関を開けたことに驚いた宅配の社員は伝票にサインを求めてきた。
俺は、慌ててサインをすると宅配を受け取った。
確かに――――…送り主は“野田 実”だった。
「な…なんだよ……やっぱりアイツ帰ってきてるじゃん…」
俺は、ホッとして宅配の宛名で笑った。
汚い野田の字――――…境井の井をここまでぐちゃぐちゃに書く人物を俺は、知らない。
「なんだよ…明日、直接渡せばいいのに」
俺は、玄関でその小包を開けた。
すると――――…
手紙と…アメリカンテイストが強目のお菓子が沢山入っていた。
「お菓子――――…と、なんだ?この箱…」
お菓子に埋もれて小さな箱が見え俺は、それを手にした。
小さい箱をフルと音がする――――。
「なんだ――――コレ」
箱を開けると…布に包まれた…物が出てきた。
布を開くと…キラリとアクセサリーが出てきた。
「――――ネックレス…?は?なんだ?」
慌てて添えられた手紙を開く。
『境井へ
いつも世話になってる境井にと、お土産を選んでいたら量が増えたので宅配にした。
帰国後に届くらしいが、別にいいだろ?
それと、ハワイアンジュエリーが魔除けとして男性も着けると彼女が言っていたから、買ってみた。
アクセサリーを着ける習慣はお前にはないかもがだ、旅行での思いでとし受け取ってくれ。
じゃぁ、土曜日の午前中に日本に帰るから!
お土産の感想聞かせろよ。
野田 実』
