
邪恋の爪痕と片恋の彼
第6章 戻らない日常
“亡くなった――――らしい”
らしい……
え?
野田が…死んだ?
は?
野田が……?
俺は、不安と恐怖で身体に力が入り…野田から送られたハワイアンジュエリーを手のひらに食い込むほど強く握っていた。
「――――境井…さん?」
ガチャと、玄関が開く音がし…真壁が帰ってきたんだと思ったが…
振り向く事が出来ず…
ギリギリと拳を握る――――――――。
「ちょっ!な――――宅配?……お菓子…?ってコレ…ハワイの……まさか」
「――――…」
乱雑に床に置いたダンボールとお菓子…その近くにある手紙を真壁がどうしたかは…分からない…。
だが、真壁は慌てて俺の手を掴むと…必死に手を開かせようとする!
「境井さん!手を――――!手を開いて!血が出てる!!開いてください!」
「――――血…?」
