
邪恋の爪痕と片恋の彼
第7章 殻への興味
「“3Pの予約したんだ”――――って、スッゴいイヤらしい顔してたわよ」
――――あいつ…
俺は大きくため息をしてカウンターに崩れた。
「はあ?そんな予約されてないです…つ~が、無理ですよ……相手にその気はないんですから」
「///あら、そうなの?まぁ、サチちゃんの言うことだから…本気にしてないけど~!だとしたら…面白いと思って~♪」
「やめてくださいよ……こっちは、その人に振り回されて――――精神的にクタクタなんですから」
ママは呆れた顔をしながら、俺の好きなカクテルをソッと差し出す。
「あら――――振り回すのが得意なセンちゃんが…振り回されてるなんて…意外ねぇ~」
淡いブルーを纏ったカクテルが涼しげに揺れる――――…。
「ちょっと…色々あって…逃げちゃいました」
「――――そう…」
それからママは俺に何も言ってこなかった…。
ただ、黙って一緒に淡いブルーのカクテルを飲んでくれた。
